20000 | ナノ






土曜日の夜は熱い。
それでも毎週この日を楽しみにしながら仕事をしている自分がいる。平日は殆ど会えない白石に会える日だからだ。出会いはそんなにいいものだったような記憶はまったく無いが、今ではあれは必然だたのだと胸を張っていえる。


「白石…痛いよ」
「んー…」


シュルシュルとベットの柵に私の腕をネクタイでくくりつける白石は無表情で、何を考えているのか図りかねる。毎度毎度拘束するのは多分白石の性癖だろう。いつかそのうち赤い縄で亀甲縛りされるのではないかとビクビクしている。そんなところも好きですとか思ってる私が一番終わってる。


「じゃ、俺はシャワー浴びてくるから、」


そう言いながらグロテスクな無機物にローションを垂らしている。ポタポタと私のお腹にそれが垂れると、その冷たさに体がいちいち反応してしまう。初めての玩具だ、今まで見たこと無いやつ。それでも今までのなかで一、二を争うほど残酷な働きをするのだろう。白石の仕事柄、そういう玩具の新作がすぐに手に入るのは理解できる。それにしてもなんで超有名玩具会社なんかに就職しちゃったんだ。


「このローション、媚薬入りなんやけど。あとで感想よろしく。」
「またっ…私で、」
「嫌じゃないくせに、よう言うわ」
「いっ、ぅ、」


ボディによくそれを馴染ませていたとしてもきつかった。私の顔が歪んだのを満足そうに見下ろして玩具のスイッチを入れた。お世辞にも気持ちいいとは言いたくないものだが、それが彼の手にかかると確実に気持ちいい物になってしまうのだから不思議である。くぐもった音を立てて蠢いているそれを指先で押しながら彼は首をかしげた。


「弱なんやけど、どう?いままでのやつとは」
「どうって、言われても、」
「じゃあこれは?」


急にそれの動きを一番激しいものに変えられて、腰がはねた。それに満足したのか、私から離れた。こいつ、本当にこのまま放置してシャワー行くつもりだ。まだ媚薬の効果が出ていないことが救いだが、それが発揮され始めたら、私は多分私を保てない。今までの経験からして、白石の勤める会社のものは一級品と言われているだけあって、効果が絶大なのだから。


「ふっ、ぅ、」


だんだんと奥がジクジクしてきた。これはヤバイ。まだ白石が帰ってくるとは思えない。でも一回達してしまったらその時はもうだめだろう。無意識に腰が動いてしまったのが私の無駄な思考を全て流した。一番気持ちいいところを外して動いていたそれの角度が変わってその場所に当たってしまったからだ。









わざといつもより長くシャワーを浴びた。今日名前に施した二つがかなりの問題作であることを承知の上で放置している。社内で、俺以外にも何人か試作品のアレをパートナーに使ってみてのレポートを提出していたが、その全員が傑作だと太鼓判を押すほどの高性能な玩具。俺のレポートが提出されれば確実に商品化される。ただ、上級者向けの玩具として、だ。初心者に使えば失神は免れない。多分今頃名前も失神しているのではないか。
確信を持ちながら部屋にもどると、体だけが反応しているのに、声が聞こえない。やはり失神してしまったようだ。抜けかけている玩具を一旦抜くと、中に閉じ込められていた愛液が糸を引いた。まだ最大出力ではなかったのにこれだとしたら最大にしたとき、どうなってしまうのか。寝ているのを良い事に、拘束を解き、衣服を全部剥いだ。目が覚めるまでの短い間で、ここまでの様子を報告書にまとめる。その途中で、目を覚ました名前に水を与えて押し倒した。


「気絶するほど良かった?」
「…」
「まぁ、まだコレの性能発揮してへんからもう一回いれさしてな」


返事は絶対NOだと分かっていたので、それを言わせる前に挿入した。最大出力でピストンを加えると、すぐに一度目の絶頂を迎えた。


「ひっぃ、やぁ、めて…っおねがぃ」
「嫌」
「っんん…っぅ、う、ぁ、―――――」


二度目の絶頂、そのタイミングと同時にまだ押していなかった玩具のボタンを押した。


「ぁ…!…っ、っ」
「射精機能付きなんやで」


声も出せないほどの絶頂に飲み込まれている名前の頬にキスを落とした。


「もぅ、やだ…白石が欲しい」
「…しょうがないなぁ」


涙が一筋、流れた。そんな顔をされるとしてやらないわけにはいかない。背中に手を回して膝の上に座らせた。
夜はまだこれからだ。





20000hit りさ様へ


≪ |

「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -